【就活生×医療機器 クロストーク】
Vol.1 レポート ①
私たちが医療機器業界を選んだ理由
就活生のみなさんに向けてこれまで医療機器業界のさまざまな情報をお伝えしてきた医機なびですが、「学生と企業の若手社員がリアルに交流できる機会を作りたい……」そんな思いが高まり、両者の“座談会”を開催しました!
題して「就活生×医療機器 クロストーク」。
2018年の11月某日、会場には座長含む4名の医療機器業界の先輩と7名の大学生にお集まりいただきました。
今回のVol.1は参加者11名が全員女性というのもポイント。女性ならではの視点でもトークが展開し、お菓子をつまみながらの和やかなひと時となりました。
そんなイベントの様子を全3回にわたってレポート。1回目は参加していただいた企業の若手社員 3名がこの仕事を選んだ理由や、入社後のキャリアに関するお話をレポートします。
【参加していただいた企業の社員】
西村加奈さん (仮名)
会社:オリンパス株式会社
入社年度:2016年度
所属部署:営業マーケティング部門 医療マーケティング本部
学生時代の専攻:生命科学
同社での業務歴:
・医療国内営業(入社~2018年9月末)
・海外マーケティング(2018年10月~)
杉山えみさん
会社:テルモ株式会社
入社年度:2015年度
所属部署:テルモメディカルプラネックス 企画推進チーム
学生時代の専攻:社会福祉学
同社での業務歴:
・医療機器の営業(入社~2018年9月末)
・医療従事者の研修施設の企画推進チーム(2018年10月~)
笠原佑見さん
会社:日本光電工業株式会社
入社年度:2013年度
所属部署:営業本部 GP営業統括部 AED営業部
学生時代の専攻:英文学
同社での業務:
・経費管理、AED受発注業務
・AED販売促進企画、インサイド・セールス
座長・進行役
昌子 久仁子さん
所属:公益財団法人医療機器センター 特任研究員
職歴:元 テルモ株式会社 取締役 常務執行役員
※所属、肩書は取材時
医療機器業界の企業に入社した理由
いよいよクロストークがスタート!座長の言葉をきっかけに、まずはお三方それぞれが医療機器メーカーに入社した理由や就活中の体験談をお話してくださいました。
昌子さん(※以下座長)「私が大学生だった当時、薬学部の同級生の半数は製薬会社への就職を目指していました。あとは理科の教員や、薬剤師を志す人もいましたが、医療機器メーカーに就職するという選択肢はほとんどなかった時代です。あれからときは経って医療業界は大きく変わりました。みなさんはどのように医療機器業界と出会って就職されましたか?」
杉山さん「私は前々から医療機器関連の仕事に就きたいという思いがあり、最初から業界を絞って就職活動をしました。その中で参加したテルモの説明会で『テルモは体温計から始まった会社です』と言われ、改めて考えてみたんです。体温計のように人が開発して誰かの手に届くものに、文系の私がどのように関わることができるのだろうと……。そこで、営業職なら『売る』ことを通してお客さんと会話をし、その言葉を会社にフィードバックすることで製品が良くなっていったり、新しい製品が出来上がっていったり。患者さんや医療現場で働く方の想いを集めて、製品に反映させることができるのは、すごく素敵なことだなと思い、テルモに入社しました。」
西村さん「私は杉山さんとは違い、最初から医療機器業界への就職を考えていたわけではありませんでした。自動車業界や鉄道業界などに興味を持っていましたが、生活になくてはならないものに関わる仕事だと、より使命感を持って長く働けそうだと思い、人の命に直結する医療機器業界を意識するようになったんです。その中でもオリンパスを選んだのは、QOL(生活の質)を高めるという領域での医療開発に魅力を感じたから。例えば弊社が力を入れている内視鏡検査の技術は、口や鼻から内視鏡を入れることで早期がんであればお腹を切らず、体への負担を抑えて治療ができるというものです。人がより気持ちよく暮らすために、医療機器でどんなことができるかを考えるという企業の姿勢に共感して入社しました。」
笠原さん「ちょっと唐突ですが、みなさんに質問……例えば自分の家を建てるとき、どんなことから始めますか?素材や間取りなど、いろいろなことを細部まで選べるので、迷ってしまいそうですよね。そこで、まずは自分がどんな生活を送りたいのか、イメージを持つことが大切です。そのイメージを明確にしていくと、選ぶべき素材や間取りが浮かび上がってくると思います。この家を建てるということは就職活動や人生を歩んでいくことに似ていると思います。私の場合、仕事を選ぶときに「とにかく人の役に立ちたい」という仕事のイメージがありました。その中で、最初はブライダルや飲食業、金融業界も考えていましたが、さらにイメージを掘り下げたとき、社会貢献度の高い医療機器業界に魅力を感じ、日本光電に入社しました。」
入社後のキャリア
お話を聞く学生さんの表情は真剣そのもの。就活中のお話に続いて、入社後のキャリアについて話題は移っていきます。
西村さん「2018年の10月、私は入社から3年弱で国内営業から海外マーケティングの部署に異動になりました。海外マーケットが大きい当社にとって重要な役割ですので、いつかはやりたいと思っていた仕事です。マーケティングのバックグラウンドがないので猛勉強中ですが、学生時代に学んだ語学も活かすことができ、やりがいのある仕事です。」
杉山さん「私は2018年の9月までは営業職で病院などの医療機関に注射針などを売っていました。つい最近、10月からは医療従事者のトレーニング施設「プラネックス(Pranex)」に勤務し、トレーニングプログラムを開発しています。医療技術向上への貢献度が高いのと同時に、CSRの一環として子供たちに医療に興味を持ってもらう企画なども行なっていて、自分にとっては良い職種だと思っています。」
笠原さん「私は入社6年目で、最初の4年間は管理部に所属し、その後AED営業部に配属されました。現在は主に経費管理・AED受発注業務と、AED販売促進企画を担当しています。さまざまな経験を経て、弊社特有の『果敢に挑戦できる環境』を肌で感じることができました。日本光電には『グローバル人財育成プログラム制度』というものがあり、希望すれば1年間海外で語学を学びながら現地法人で業務に就くこともできます。今はそのプログラムに挑戦するために、週4日英会話スクールに通いながら年に一回プライベートでヨーロッパ諸国へ現地視察をし、国内・海外販売におけるプロフェッショナルを目指しています。」
座長「『医療機器』というと、以前は薬を使った治療をサポートする存在でした。そのため、就職においても医療機器メーカーよりも製薬会社の方が圧倒的に人気だったのです。しかし最近は“薬で治療をする時代”から“医療機器で治療をする時代”に変わりつつあります。みなさんのお話を聞いて、医療機器業界の“今”とさまざまなキャリアプランを知ることができました。」
さまざまなバックグラウンドを経て医療機器業界に飛び込んだ先輩たちのお話に目を輝かせる学生さんたち。みなさんとてもいい表情でした!
レポートは「②」に続きます。
お楽しみに!
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