【特別インタビュー】
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社③

【特別インタビュー】 <br>デロイト トーマツ コンサルティング合同会社③

“文系・理系”両方に活躍の舞台が。医療機器の世界で実現する”ジャンルレス”な働き方

医療機器業界の魅力や特徴・今後の展望について、この業界の動向に詳しいデロイト トーマツ コンサルティング合同会社 立岡徹之さんにお聞きした今回のインタビュー記事。

 

初回の「医療機器業界の特徴や日本の立ち位置」、前回の「ハードウェア×デジタルテクノロジーによるイノベーション」に続いて、最終回となる今回は「業界の今後の動向」そして「この業界で働くことの魅力」について詳しく語っていただきました。

 

【今回お話を聞いた人】

 

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

執行役員/パートナー 【※肩書は取材時】
立岡徹之さん

ニューヨーク事務所駐在を経て現職に至る。 同社にてMed-Tech Teamリーダーとして、これまで医療・ヘルスケア業界を中心に、新規事業戦略策定、製品戦略、営業改革、海外展開、新規事業企画などを手掛けている。直近では、同領域における官公庁/行政関連の案件も手掛ける中で政策提言/国家施策推進にも参画。 AMED『医療機器開発のあり方に関する検討会委員会』にて検討委員(2018年)を務める。

「人間の身体を機械で再現する」。究極の姿に向かって進化する医療機器の世界

――立岡さんのお話を聞いて、医療機器業界ではさまざまなイノベーションが起こっていることがわかりました。業界としての今後の動向でいうと、どのようなことが起こると考えられますか?

立岡さん「日本も含めて世界中でイノベーションが起こっていると申し上げましたが、中心地はアメリカのシリコンバレー(サンフランシスコ)とボストンの2箇所です。今後の動向を考える上で、この2箇所で起こっていることを注視する必要があります。最近は特にボストンで進んでいる『バイオ技術』に関わる研究・開発が注目されており、新しいイノベーションにつながるのではないかと考えています。

 

――「バイオ技術」に関わる研究・開発とは具体的にどのようなものなのでしょうか?

立岡さん医療機器の究極の姿は『人間の身体をすべて機械で再現すること』なんですよ。

 

例えば、もし心臓が悪くなっても、機械で代用できるようになれば、交換するだけで治療ができますよね。もちろんそんなに単純な話ではないのですが、そのためには、従来の『金属・プラスティック・樹脂』といった素材ではだめで、人間の細胞に近い『新しい素材』を開発する必要があるんです。これはあくまで一例ですが、このような生体・細胞などを扱うバイオ技術に関する研究・開発の中心がボストンです。

 

――なるほど。医療機器という言葉から「機械」のイメージがありましたが、「バイオ」などの生体に近い領域も関わってくるのですね。

立岡さん『困っている患者さんがいて、それをどう助けるか?』を前提に考えると、ひとつの技術だけにとどまることはできません。従来のハードウェア的な部分・現在融合が進んでいるデジタルテクノロジーの部分・そしてバイオテクノロジーなど、あらゆる分野を総動員して開発を進めるのが医療機器の特徴です。

 

ジャンルレスなのはもちろん、知識や技術を横断しながら進んでいくところが、この業界のおもしろさであり、魅力だと思います。

あらゆる分野を“総動員”して進化する。文系・理系にとらわれない“開かれた世界”

――他ジャンルとの融合など、立岡さんの言う医療機器業界の魅力がまだまだ外に伝わりきれていないようにも感じます。その原因は何なのでしょうか?

立岡さん「わかりにくさが原因のひとつかなと感じています。例えば自動車業界であれば、『自動運転』とか、わかりやすいイノベーションの形があります。

 

医療機器の場合は病気や疾患の数だけイノベーションがあるので非常に細かいですし、専門的なので学生さんや一般の方からは見えにくいのではと思います。中に入ってはじめて吸収できることの多さや世界の近さを感じられるのかもしれません。

 

――機器や開発という印象から、なんとなく「理系向け」という印象が強いのもこの業界のハードルになっているように思います。実際はどうなのでしょうか?

立岡さん「開発という視点でいうと理系のイメージが強い業界ですよね。ただ、よりよい医療機器を作っていくには、『医療の専門であるドクターと開発の専門家であるエンジニア』という2つの専門性の橋渡し役が必要です。

 

そこは、文系・理系を問わずに活躍できる領域なので、『文系だから入りにくい』ということはありません。医療機器の世界は、文系・理系どちらの方にとっても、たくさんの活躍の場が用意されている業界なのです。

 

――ありがとうございます。それでは最後に、この業界はどんな方におすすめか、立岡さんの考えを聞かせてください。

立岡さん「『グローバル全体がひとつの市場』という視点から見ると、グローバルに活躍したいと考えている方におすすめですし、『あらゆる分野の知識や技術が集まる』という視点から考えると、広範囲に知識や技術を吸収したいと考えている方にとっても良いと思います。また、発想力を使って何か新しいものを作ったりチャレンジがしたいという方にも合うのではないでしょうか。

 

さまざまなチャレンジができる業界なので、興味のある方にどんどん飛び込んできてほしいですね。」

 

 

立岡さんへの全3回にわたるインタビューを通して、外からはなかなか見えにくい「医療機器業界の魅力」を深く知ることができました。

 

グローバルな活躍ができるーー

ジャンルレスに知識や技術を吸収できるーー

発想力を活かして新しいことにチャレンジできるーー

 

などなど、この業界はさまざまな「なりたい」を叶えられる世界です。

今回のインタビューに少しでも興味を持たれた方がいたら、ぜひ進路のひとつとして医療機器業界を検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

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