【社員インタビュー】
医療機器メーカー経験者インタビュー②
病を患った家族からの「ありがとう」で実感した、医療機器業界の仕事のやりがい
ものづくりの仕事に憧れて設計者を目指し、医療機器メーカーで6年間勤務した相宮直紀さん。
前回の記事では設計者の仕事内容や就職で医療機器業界を選んだ理由に迫りました。
今回は、医療機器業界での仕事のやりがいなどについて語っていただきます。
【今回お話を聞いた人】
公益財団法人 医療機器センター 医療機器産業研究所 情報基盤室 主任
相宮 直紀さん
理系の4年制大学を卒業後、平成21年度に新卒で医療機器メーカーに入社。6年勤めた後、公益財団法人 医療機器センターに転職し、現在に至る。
手厚い新人研修で医療現場が身近な存在に
――入社時の新人研修はありましたか?
相宮さん「はい、ありました。私の時代はまず入社してから2週間合宿があり、マナーや仕事に取り組むときの心構えなど、ビジネスの基礎を学びました。同期たちと寝食を共にすることで絆も深まり、その後各部署に配属されても繋がりを継続できましたね。
さらに合宿を終えてからは営業所に配属され、先輩のもとで製品のことを学び、取引先である病院やクリニックへも同行しました。
設計者は実務に入ると工場勤務になり、製品が使用される様子はなかなか見ることができません。
営業研修で医療現場をグッと身近に感じることができ、仕事に対する意識を高めることができました」
――特に印象的だった出来事はありましたか?
相宮さん「営業研修のなかで、取引先の病院で医療機器を使った手術の様子を見学させていただく機会がありました。
なかなか見ることのない“いのちの現場”に立ち合うことで、医療の最前線で使用される医療機器の開発に携わることに対して責任感を新たにしました」
オープンマインドな人が多く、グローバルに活躍のチャンスがある。医療機器業界に対するイメージが変わったこと
――入社後、医療機器業界に対するイメージが変わったことはありましたか?
相宮さん「医療機器業界というと、自動車業界や家電業界と比べて堅苦しいイメージをもっていました。みなさん真面目に黙々と作業しているのかなと。しかし、実際は好奇心溢れるオープンマインドな人が多い職場でした。
自動車メーカーの場合、車が好きで入社する人は少なくないでしょう。医療機器業界では最初から医学に特化した興味や知識をもっている人はあまりおらず、自分が知らない新しいことを学びたいという探究心をもつ仲間が多かったです」
――職場環境でイメージとの違いを感じることはありましたか?
相宮さん「自分が思っていた以上に国外でも活躍できる機会が多いことは入社するまで気付かず、イメージと異なりました。私が働いていた企業は海外にも複数の拠点があり、実際私にも入社後数年が経った頃、海外赴任の声がかかりました。
私に医療機器業界を紹介してくれた大学時代のアルバイト先の友人も、実は同じ企業に同期で入社し、数年前から海外に赴任して現在もグローバルに活躍しています」
身近な人の病気で気付いた医療機器開発のやりがいとは?
――医療機器開発のやりがいを感じた瞬間はありますか?
相宮さん「働き始めてから数年後、父が重い病気を患ってしまいました。手術を受けたとき、重要な局面で私が勤めていたメーカーが開発した医療機器が使われたんです。
その結果、父は助かり、今でも元気に暮らしています。手術の後で父から言われた『ありがとう』の言葉が今でも忘れられません。
自分たちが開発に携わる製品が実際に誰かの命を救い、健康を支えることを実感でき、この業界に入ってよかったと心から感じました」
手術を通して医療機器業界の社会貢献度の高さを再確認し、この業界に身を置き続けることを心に決めたようです。
次回の記事では相宮さんが設計者として日々どんなふうに働いていたのか、1日のタイムスケジュールに迫ります。
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