【知っ得!業界の基礎知識】
~第1弾~ 医療機器は法律により管理されている!
医療機器業界を研究していく上で、知っておくと役に立つ知識が様々あります。「知っ得!業界の基礎知識」では、これは知っておくと就活時に周りと1歩差がつく!をコンセプトに情報をお届けしていきます。
第1弾といたしまして、医療機器を管理している法律についてお届けいたします。
医療機器は法律により管理されている
皆さんは医療機器が法律により管理がされているということをご存じでしょうか?日本では「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、医薬品医療機器等法)という法律があり、医療機器を取り扱う企業は、この法律に則って仕事を行っています。
法律により管理されている目的とは?
なぜこのような法律により医療機器が管理されているのかというと、企業が開発した医療機器を発売する前までに、医療機器の品質は担保されているのか、効き目や効果はあるのか、不具合や副作用などはでないかを、国自らが事前に確認することで、皆さん(国民)に安全な医療を提供していくことを国として取り決めているからです。つまり「製品の品質、有効性や安全性の確保」が一つの目的といえます。
ほかには、稀にしか発生しない病気のために製品の研究開発を促進するための規定があり、研究開発の促進による国民の保健衛生の向上を目的とするものがあったり、医薬品医療機器等法によって皆さんの安全と健康が守られるように管理がされているんです。
なんの管理をする法律なのか
では、医薬品医療機器等法ではどのような管理がされているのでしょうか?医薬品医療機器等法を見ると細かい内容が記載されており、ここですべてを説明することは難しいので一言でいうと、「生産」と「流通」に関する管理となります。とはいうものの、経済法規ではなく衛生法規となっており、管理の対象となっているものは人の身体や健康に直接影響するものが主になっています。
例えば、流通の管理といっても、値段が高いとか安いというような経済的な問題を管理するものではありません。販売する前にこの医療機器にはきちんと効果があるのか、不具合はないのか、医療機器の販売後、何かあったときに安全対策が行える体制になっているか、製品の虚偽・誇大な広告をしていないかなどについて国が必要な確認行為をするものです。これらは一般的には「薬事」という言葉で表現されます。よって、「経済的な管理」を目的とする法律ではなく、「保健衛生のための管理」を行う法律となっています。
また、生産に関する管理につきましても、生産する医療機器の安全性や有効性が損なわれずに品質を担保できる生産体制が整っているかなど、皆さんの安全と健康を支えるために必要な管理をするものとなっています。
国ごとに法律が変わる
医療機器を管理する法律は国によって異なります。例えば、アメリカではアメリカの法律がありますし、EUではEUの法律があります。
したがって、海外で医療機器のビジネスを展開している企業は、その国々のそれぞれの法律に則って仕事を行っています。
終わりに
医薬品医療機器等法の内容をすべて覚える必要は全くなく、今は「日本では医薬品医療機器等法という法律がある」、「医療機器を取り扱う企業は法律に則って仕事をしている」ということを覚えていただければと思います。
将来、もし医療機器業界で働いた際に、様々な業務が医薬品医療機器等法に紐づいていることに気が付くと思います。特に薬事に関する業務を行っていく方々は、医薬品医療機器等法を目にする機会が多いと思いますので、ぜひ知っておくと役に立つのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか?
これからも医機なびでは「知っ得!業界の基礎知識」を通じて、就活の際に知っておくと周りと1歩差がつく知識についてお届けしていきます!
お楽しみに!