【知っ得!業界の基礎知識】
~第2弾~ 医療機器のリスク分類とは?
医療機器業界を研究していく上で、知っておくと役に立つ知識が様々あります。「知っ得!業界の基礎知識」では、これは知っておくと就活時に周りと1歩差がつく!をコンセプトに情報をお届けしていきます。
第2弾といたしまして、医療機器のリスク分類についてお届けいたします。
医療機器のリスク分類とは?
医療機器には様々な種類があります。例えば体温計や血圧計などの家庭にもあるものから、CTやMRI、人工呼吸器などの主に病院にあるものがあります。また、コンタクトレンズや眼圧計などの目に使う医療機器もあれば、歯科用インプラントや歯科用ユニットなどの歯に使う医療機器もあり、多種多様なものがあります。医療機器は様々な目的や用途に応じるためにたくさんの種類があり、2022年6月現在では4,000種類以上あると言われております。
では、これだけたくさんある医療機器はどんな分類の仕方があるのでしょうか?目的別の分類(診断、治療、予防など)や用途による分類(歯科、眼科、耳鼻科など)などいろいろな分類の仕方がありますが、今回ご紹介するのは「リスクによる分類」になります。ここでいう「リスク」とは身体に対するリスクで、法律(医薬品医療機器等法)により定められています。
医療機器の特性により、使用する医療機器に不具合が発生した場合に、身体への危害の程度を考えて決められているのが「リスクによる分類」です。日本では4段階に区分されています。クラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢ、クラスⅣという区分があり、クラスの数字が上がるほどリスクが高い区分として分類されています。
医療機器のリスク分類の区分
クラスⅠ~クラスⅣの区分の内容について、それぞれ簡単に説明したいと思います。
・クラスⅠ
クラスⅠに該当する医療機器は、不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低いと考えられるものを言います。クラスⅠの医療機器を法律上では「一般医療機器」とも言います。
・クラスⅡ
クラスⅡに該当する医療機器は、不具合が生じた場合でも人体へのリスクが比較的低いものを言います。主に診断機器はクラスⅡに区分されているものが多いです。クラスⅡの医療機器を法律上では「管理医療機器」とも言います。
・クラスⅢ
クラスⅢに該当する医療機器は、不具合が生じた場合に人体へのリスクが比較的高いと考えられるものを言います。
・クラスⅣ
クラスⅣに該当する医療機器は、患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合に生命の危険に直結するおそれがあるものを言います。主に治療機器はクラスⅢ、Ⅳに区分されているものが多いです。また、クラスⅢ、Ⅳの医療機器をまとめて法律上では「高度管理医療機器」とも言います。
具体的な医療機器のリスク分類の例
では、具体的にどんな医療機器がどのクラスに分類されるのか、例を抜粋してご紹介します。
クラスⅢ ・・・ 人工関節、透析装置、コンタクトレンズ など
クラスⅣ ・・・ 人工血管、植え込み型心臓ペースメーカ など
終わりに
クラスの高い医療機器を取り扱うということは、それだけ患者さんの生命に直接かかわる製品を取り扱っていることとなり、管理(「知っ得!業界の基礎知識~第1弾~」を参照)に関わる要求も高くなってきます。
この管理の要求を満たすために、各企業で働く方々は取り扱う医療機器に合わせて様々な業務に取り組んでおります。管理に関する対応は大変な部分もありますが、その分やりがいもあります。
医療機器業界について調べる際には、各企業がどんな医療機器を取り扱っているのかを調べることと同時に、この医療機器のリスク分類について意識をしてみることで、より業界研究の視野が広がるかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
これからも医機なびでは「知っ得!業界の基礎知識」を通じて、就活の際に知っておくと周りと1歩差がつく知識についてお届けしていきます!
お楽しみに!