スタートアップ企業が取り組む、AIを活用した医療機器! - AIメディカルサービス 内視鏡の画像診断支援人工知能(AI)編 -
こんにちは、医機なび事務局です!
AI医療機器協議会さんとタイアップして、これまで2つの記事を掲載してきました。
そして、今回から新たなシリーズでお届け!
『スタートアップ企業が取り組む、AIを活用した医療機器!』について紹介をいただくシリーズをスタートします。
第1弾として、株式会社AIメディカルサービスの企業概要と取り扱うAI医療機器についてご紹介をいただきましたので、ぜひご覧いただければと思います。
はじめに
前回の記事で「AI医療機器」をご紹介しました。今回の記事からは連載でAI医療機器の研究開発を行っている日本のスタートアップ企業をご紹介します。
一社目は内視鏡の画像診断支援人工知能(AI)を開発する株式会社AIメディカルサービスをご紹介します。
株式会社AIメディカルサービスってどんな会社?
株式会社AIメディカルサービス(以下、AIM)は、2017年設立の東京都豊島区池袋にオフィスを構える医療スタートアップ企業で、現役の消化器内視鏡専門医である多田智裕が創業しました。
AIMが取り組む社会課題は「消化管がん」です。
消化管とは、口から肛門までの一本の管を指します。
みなさんも「胃がん」や「大腸がん」という言葉は耳にしたことがあるかもしれませんが、これらは「消化管がん」に含まれます。
日本だけでなく世界において、がんで亡くなってしまう人の約3割が消化管がんを原因としており、消化管がんは世界で最も死亡者数の多いがんと言われています。
消化管がんは胃カメラや大腸カメラと呼ばれる「内視鏡検査」によって診断されますが、医師も人間なので診断能力には個人差があり、がんが見逃されてしまうケースがあるということや、そもそも検査中に小さな早期のがんを見つけること自体が非常に難しいという課題があります。
AIMはこれらの課題に対して、人工知能(AI)の画像認識技術を活用してがんの見逃しを減らし、消化管がんで亡くなってしまう人をひとりでも多く減らすことを目指しています。
内視鏡って?
先端にカメラがついた管を口や鼻、肛門から挿入し身体の中を医師が直接見るための医療機器です。
(内視鏡についてはこちら:https://www.iryokiki-navi.com/what/p_1287/)
内視鏡は日本で実用化された医療機器で、世界シェアの9割以上を日系メーカーが占めています。
また、内視鏡医療は日本が世界をリードしていると言われており、日本には世界を代表するような内視鏡操作技術を持つ医師や、世界最高水準の内視鏡検査データが蓄積されています。
内視鏡AIって?
内視鏡AIは、内視鏡検査中にリアルタイムで医師の診断を支援するソフトウエアで、医師が使うAI医療機器に分類されるものが多いです。
「ディープラーニング」と呼ばれる学習手法で、大量の早期がんの画像をAIに覚え込ませることで、がんが疑われる病変を見つけてくれたり、その病変がどのくらいがんである可能性があるかを教えてくれたりする技術です。
AIによる画像認識能力は人間を超えていると言われており、AIは大量の画像を高速で処理することや、その画像の持つ特徴を自力で見つけ出すことが得意です。
一方で、人間は経験や知識から総合的な判断を行うことが得意です。
現状では医師一人で行うことが多い内視鏡検査ですが、医師とAIが一緒に検査を行うことで、双方の得意を持ち寄り、より質の高い検査を行うことが可能になり、がんの見逃しを減らすことができると考えられています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
AIを開発する上で、その性能を左右する最も重要な要素はデータの質と量です。
日本には世界最高水準の内視鏡検査データが蓄積されているため、そのデータを使って日本で開発した内視鏡AIは世界の市場でも受け入れられる可能性が十分にある技術なのです。
AIMは国内外100以上の医療機関との共同研究を通じて世界最高水準のデータを収集するスタートアップです。
日本のみならず世界の医療現場に一日も早く内視鏡AIを届け、消化管がんの見逃しを減らし、内視鏡医療の質を高めるために今後も研究開発を続けていきます。
これを機にみなさんが少しでも内視鏡AIとAIMについて興味を持っていただけたら幸いです。
次の記事では、長時間心電図解析を支援するAI医療機器を開発・製造・販売に取り組む日本のスタートアップ企業「株式会社カルディオインテリジェンス」の取り組みをご紹介します。
株式会社AIメディカルサービスHP
※こちらの記事は『AI医療機器協議会』協賛の記事です。
もっとAI医療機器協議会について知りたい!という方はこちらをご覧ください。