【医療機器体験談】
睡眠時無呼吸症候群の患者体験談

【医療機器体験談】<br>睡眠時無呼吸症候群の患者体験談

※上記写真はイメージです。

睡眠時無呼吸症候群 すいみんじむこきゅうしょうこうぐん 睡眠を手助けする治療支援アプリ

この病気に気づく前は、仕事から帰ってきて食事をしたあと、寝転びながらテレビを見ていると、知らない間に寝ていることが多かったです。「仕事で疲れているからだろう」と思っていたので、自分ではどこも悪いとは思っていませんでした。

 

ただ、いびきがうるさいと家族から言われ、試しにスマートフォンでいびきを録音してみたところ、かなりの頻度で大音量のいびきをかいていました。それでも、いびきは誰にでもあるから特に病気ではないだろうと思っていたのです。

 

しかしインターネットで調べてみると、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるということで、その病気かどうか検査してもらうために専門の病院に行きました。

 

検査入院して呼吸を調べる

病院では一晩入院して、装置を着けて寝る検査をしました。すると、2分以上息をしていないことがあると分かり、やはり睡眠時無呼吸症候群との診断でした。そんなに呼吸が止まっていたのかと非常に驚きましたが、「病名が分かった。いびきの原因も分かった。では治療と対処法は?」と、いたって冷静でした。

 

主治医の先生から勧められたのは、CPAP(シーパップ:持続式陽圧呼吸)療法です。「CPAPはあなたのケースでは非常に有効な手段です」と言われ、「とりあえずやってみようかな」と軽い気持ちで考えていました。このとき、睡眠時無呼吸症候群の治療支援アプリも併せて勧められました。CPAPは、一晩中人工呼吸器のような装置を着けて寝るため、煩わしくなって着けることをやめてしまう場合があるようで、続けていけるか少し不安でしたが、鼻に着けたマスクから気道に空気を送るだけでいびきがなくなり、睡眠時無呼吸症候群の症状が和らぐとのことで、興味がわきました。

 

ただ、治療が有効かどうかは、1カ月に1回、病院に行ったときにしか分からないため、不便だと思ったのですが、治療支援アプリはCPAPと連動していて、アプリで毎日自分が寝ているときの状況を確認できるというのです。これは便利だと思い、ぜひ使ってみたくなりました。ユーザー登録も操作も簡単そうでしたので、特に心配はありませんでした。自分の睡眠データは、セキュリティ対策が講じられた安全なラウドサーバーに保存されるそうで、スマートフォンでもパソコンでも、いつでも好きなときに状況を確認することができます。最近では仕事でも多数のクラウド型アプリを使っているのですが、医療機器と連動した治療支援アプリがあるというのは新たな発見でした。

 

毎日の睡眠データを確認でき、効果に満足

実際にCPAPと治療支援アプリを使ってみたところ、CPAPの使用3日目くらいから、朝起きたときに「ちゃんと眠れた」と思えるようになってきました。仕事から帰ってきて見るテレビドラマも、寝落ちすることなく最後まで見られるようになりました。

 

治療支援アプリを利用すると、毎日自分の睡眠データをスマートフォンで見られるので満足しています。睡眠が点数で表示されるので、いい点が取れるように「もっと寝よう!」と励みになっています。

 

定期的に治療支援アプリからCPAP使用の励ましメールが送られてくるのも、見守られているみたいでちょっとうれしくなります。しかも、マスクの着け方など、病院で教えてもらってもすぐに忘れてしまいがちなことも、治療支援アプリには動画が用意されていて、それを見れば分かるのがよかったです。もっと早くからCPAPと治療支援アプリを使っていればよかったと思いました。

 

治療中の今も仕事や生活のリズムは変わらないので、睡眠時間はあまり変わっていません。ただ、睡眠の質がよくなったのか、日中に眠くなったりすることはほぼなくなりました。

 

CPAPには非常に満足しています。治療支援アプリで好きなときに自分の睡眠の質を客観的に見ることができ、さらにそのデータが蓄積されて時系列で確認できるのはありがたいです。もう少し睡眠時間を延ばしてみようと思います。

 

治療を始めて、家族からは「いびきもなく、ちゃんと深く眠れているようで、若干、若返った気がする」、また、「以前は車の運転時によく眠くなり、ときにはサービスエリアで寝ることがあると聞いていたので心配だったけれど、最近はそのようなことも減り、とても安心」と言われました。

 

今、楽しんでいるのは料理です。今回の検査と治療をきっかけに、自分の健康に気を遣うようになりました。体によいものを食べて、よく寝て、長生きしたいと思います。

 

【担当医からのひとこと】 医療にもICTを活用

社会的な認知度が高まり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断される患者さんは年々増加する傾向にあります。SASの治療効果が最も高いCPAP療法(持続式陽圧呼吸療法)を現在受けている患者さんは、国内で50万人を超えると言われています。CPAP療法を適切に行うことにより、睡眠中の無呼吸や低呼吸が減少し、眠気などSASに関連する症状の改善が期待されます。

 

CPAP療法は治療器を継続的に使用する必要がありますが、治療器の使用やマスクに不慣れであるなど、さまざまな理由により治療器の継続が困難であると感じる患者さんが一定数存在します。一般的に、患者さんの治療継続には治療開始初期の介入が重要であると言われていますが、医師の不足や患者さんの増加という状況の中で効果的かつ効率的な介入を行うためには、従来の治療の枠組みにとらわれることなく、ICTを活用した製品やサービスの積極的な利用が重要になってきます。

 

現在のCPAP機器は、治療データを自動的にクラウドに送信して安全に保存する機能が備わったものを利用できます。医師はそのデータを参照して患者さんに適切な時期に適切な介入を行います。さらに、患者さんがSASの治療支援アプリを使用してご自身で治療データを参照することにより、患者さんの治療継続に対するモチベーションの向上が期待できます。治療支援アプリは、AI機能により患者さんの状態に合わせた励ましメールを自動送信することで、患者さんの治療継続を側面から支援してくれます。

 

治療支援アプリ

写真:治療支援アプリ

睡眠時無呼吸症候群の治療を支援する患者向けのアプリ。

 

CPAP から自動送信されて安全なクラウドサーバーに保存された睡眠データを、患者個人のパソコン、タブレットまたはスマートフォンを使用して閲覧する。毎日の睡眠を独自のルールで点数化して表示し、AI機能によりCPAP の使用状況に合わせて励ましメールを患者に送信する。CPAPの使用方法などを解説した充実した動画ライブラリを有するなど、患者のCPAP 使用継続の意欲向上を支援する。

 

 

 

 

 

 

「医療機器体験談」は一般社団法人 米国医療機器・IVD工業会出版のエッセー集『出会えてよかった』第1集~第3集より引用しています。

URL: https://www.amdd.jp/technology/essay/

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